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社員食堂・食事手当・食事補助サービス|3つの違いは「何を渡すか」

2026-09-30

社員食堂・食事手当・食事補助サービス|3つの違いは「何を渡すか」

社員の食事を支える方法は社員食堂・現金の食事手当・食事補助サービスに分かれます。会社が抱えるものと税務上の入口の違いを、国税庁の資料に沿って整理します。

社員食堂を持たない会社が、社員の食事を支えようとしたとき、取れる形は大きく3つに分かれます。

会社が食堂を持って食事を出すか、現金の手当として渡すか、社外の店で食べられる形をつくるか。

この3つを、会社側が抱えるものと、税務上の入口で並べてみます。

その違いを見るうえで重要なのが、従業員に何を渡しているか、そして誰が食事代を支払う仕組みになっているかです。

分かれ目は「従業員に何を渡しているか」

国税庁のタックスアンサー No.2594「食事を支給したとき」は、役員や使用人に支給する食事について、次の2つの要件をどちらも満たしていれば、給与として課税されないとしています。

  • 役員や使用人が食事の価額の半分以上を負担していること
  • 食事の価額から役員や使用人が負担している金額を引いた金額が、1か月当たり7,500円(消費税および地方消費税の額を除きます。)以下であること

日々の食事補助について見ると、この要件を満たしていなければ、食事の価額から役員や使用人の負担している金額を控除した残額が給与として課税されます。

いっぽうで同じページは、食事を支給するのではなく現金で食事代の補助をする場合には、深夜勤務者に夜食の支給ができないために1食当たり650円(消費税および地方消費税の額を除きます。)以下の金額を支給する場合を除き、補助をする全額が給与として課税されるとしています。

つまり、ひとつの資料の中で、食事そのものを渡す場合と、金銭を渡す場合が分けて書かれています。

なお同じページには、残業または宿日直を行うときに支給する食事は、無料で支給しても給与として課税しなくてもよいことになっている、とも書かれています。この場面については関連記事で整理しています。

出典:国税庁タックスアンサー No.2594 食事を支給したとき

① 社員食堂 ── 会社が食事を作る側に回る

社員食堂で会社が作った食事を出すなら、従業員に渡しているのは食事そのものです。

No.2594 は、判定の基礎になる「食事の価額」の決め方を、支給のしかたごとに分けています。弁当などを購入して支給している場合には、業者に支払う購入金額。社員食堂などで会社が作った食事を支給している場合には、食事の材料費や調味料など食事を作るために直接かかった費用の合計額です。

社員食堂の運営を外部の業者に委託している場合であっても、その業者に社内の食堂や調理場等の施設を無償で使用させ、かつ、食事の材料等を提供している場合(その業者が材料等の仕入れを行うこととしている場合で、その業者が会社に請求する材料費その他の費用の内訳が適正かつ明確に区分されているときを含みます)には、同じく食事を作るために直接かかった費用の合計額を食事の価額として差し支えないとされています。

社員食堂で会社が作った食事を出す形では、非課税かどうかの判定に使う数字が、材料費のように自社の中で積み上げた費用になります。

だからこの形を検討するなら、確かめるのは食事の価額を積み上げられる体制が社内にあるかどうかです。

明るい社員食堂で木製テーブルを囲み、パスタやサラダの皿を前にフォークを手に会話しながら昼食をとる社員3人

② 現金の食事手当 ── 数字を満たしても、渡し方で結論が変わる

ここで、ひとつ照会の例を見ます。

国税庁の質疑応答事例に、こういう照会が載っています。会社が指定した近隣の飲食店を従業員が昼食で利用したとき、領収証を会社に提出させ、そこに記載された食事代の50%相当額を個人別に集計して、月末で締めて翌月5日に預金口座へ振り込む。振り込む負担金は月額7,500円(税抜)を上限とする。

半分以上の本人負担と、会社負担が月額7,500円以内という数字は、どちらも満たしています。

それでも回答は、使用人等が受けるこの食事代負担金は、その使用人等に対する給与所得の収入金額となり、その経済的利益をないものとして取り扱うことはできない、というものでした。

理由として挙げられているのは、渡しているものが食事という現物ではなく金銭だという点です。

使用人等が飲食店に食事代を支払い、使用者が現金で食事代を補助する場合には、「使用者が役員又は使用人に対し食事を支給する場合」に該当せず、深夜勤務に伴う夜食の現物支給に代えて支給する金銭に関する通達に該当するときを除き、補助をする全額が給与として課税されることとなる、と書かれています。

出典:国税庁 質疑応答事例(源泉所得税)使用者が使用人等に対し食事代として金銭を支給した場合

現金で渡す形には、もうひとつ給与計算側の論点があります。

労働基準法施行規則第21条が、労働基準法第37条第1項及び第4項の割増賃金の基礎となる賃金には算入しないものとして挙げているのは、家族手当及び通勤手当のほか、別居手当・子女教育手当・住宅手当・臨時に支払われた賃金・1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金です。

食事手当という名前の手当は、ここに挙げられていません。

現金の手当として毎月いくら足すかを決めるときは、ここも一緒に見ておきたいところです。

出典:厚生労働省 法令等データベース 労働基準法施行規則

机に向かって立ち、片手をノートパソコンのそばに置き、もう一方の手にペンを持って棒グラフと表が印刷された書類を確認している人物(顔は写っていない)

③ 食事補助サービス ── 先に見るのは支払いの流れ

3つめは、社外の飲食店などで食べられる形を、サービスを使ってつくる方法です。

食事補助サービスは、サービスごとに契約関係や支払いの流れが異なります。そのため、税務上の取扱いを考えるときも、「食事補助サービス」という名称だけで判断するのではなく、実際にどのような仕組みで食事代が支払われるのかを確認する必要があります。

先ほどの国税庁の質疑応答事例では、その具体例のひとつとして、使用者と飲食店との間の契約により使用人等の食事代を使用者が飲食店に支払う場合について触れています。

この場合は、「使用者が役員又は使用人に対し食事を支給する場合」に該当するものとして取り扱って差し支えありません、とされています。

ここで示されているのは、使用者と飲食店との間に契約があり、その契約によって会社が飲食店へ食事代を支払う、という具体的な形です。すべての食事補助サービスが同じ取扱いになるという意味ではありません。

サービスを比べるときには、料金や対応エリアだけでなく、お金がどこからどこへ流れる仕組みになっているのか、契約関係がどうなっているのかも確認しておきたいところです。

あわせて、従業員本人にいくら負担してもらい、それをどうやって集めるのか。こうした仕組みを確認したうえで、それぞれのサービスの税務上の取扱いを考える必要があります。

3つを並べて見る

ここまでを、税務上の入口の順に並べると、こうなります。

  • 社員食堂 … 会社が食事を作って支給する。判定に使う食事の価額は、食事を作るために直接かかった費用の合計額
  • 現金の食事手当 … 従業員が店に支払い、会社が金銭で補助する。深夜勤務に伴う夜食の現物支給に代えて支給する金銭に関する通達に該当するときを除き、補助をする全額が給与として課税される
  • 食事補助サービス … 契約関係や支払いの流れはサービスによって異なる。国税庁の質疑応答事例では、使用者と飲食店との間の契約により会社が飲食店へ食事代を支払う場合は、食事を支給する場合に該当するものとして取り扱って差し支えないとされている

食事の価額を自社で積み上げるのか、給与計算の中で扱うのか、契約と支払いの経路を確かめるのか。確認するポイントは、方式によって変わります。

同じ「食事補助」という言葉で呼んでいても、仕組みは同じではありません。

決める前に確かめておきたいこと

  • 従業員に渡すのは食事そのものか、金銭か
  • 食事代を誰が誰に支払う仕組みになっているか
  • 本人からいくら集めるか。給与から差し引く形にするなら、社内の手続きの確認が先になります
  • 対象にする従業員の範囲。雇用形態によって扱いを変えるかどうかも、先に決めておきたい点です
  • 金額の見方。7,500円以下かどうかの判定は、消費税および地方消費税の額を除いた金額で行い、その金額に10円未満の端数が生じた場合には切り捨てます

まとめ

社員の食事を支える方法は、社員食堂・現金の食事手当・食事補助サービスに大きく分かれます。

国税庁の資料では、食事そのものを支給する場合と、金銭で食事代を補助する場合で取扱いが分けられています。

半分以上の本人負担と月額7,500円という数字を満たしていても、従業員が飲食店に食事代を支払い、会社が後から金銭で補助する形では、その食事代負担金は給与所得の収入金額になる、という回答があります。

一方、使用者と飲食店との間の契約により会社が飲食店へ食事代を支払う場合については、食事を支給する場合に該当するものとして取り扱って差し支えないとする回答があります。

方式を選ぶ段階では、制度の名前だけではなく、何を渡すのか、誰が誰に支払うのか、どのような契約関係になっているのかまで確認することが重要です。

どこでも社食について

どこでも社食は、株式会社シンシアージュが提供する法人向けの食事補助サービスです。

社内に社員食堂を持たない企業でも、従業員が食事補助を利用できます。

特定の提携飲食店との個別契約を前提としない方式をとります。

利用できない店舗・業態が実在し、すべての店舗で使えるわけではありません。

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