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食事補助の導入に就業規則の変更は必要?食事代を集めるときの手続き

2026-09-24

食事補助の導入に就業規則の変更は必要?食事代を集めるときの手続き

食事補助で従業員から食事代を集めるなら、就業規則と賃金控除の手続きが関わります。記載事項・届出・周知と、給与天引きに要る協定を厚生労働省の資料から整理します。

食事補助を非課税の範囲で導入しようとすると、まず調べるのは税務の要件です。

ところが実際に手が止まるのは、その少し先にあります。従業員から食事代の半分を受け取る、という運用を社内でどう定めるかです。

この記事では、食事補助を始めるときに就業規則と労使協定がどこで関わってくるのかを、国税庁と厚生労働省の資料から整理します。

非課税の要件のひとつは、本人が食事の価額の半分以上を負担していること

国税庁は、役員や使用人に支給する食事について、次の2つの要件をどちらも満たしていれば給与として課税されないとしています。

  • 役員や使用人が食事の価額の半分以上を負担していること
  • 食事の価額から役員や使用人が負担している金額を差し引いた金額が、1か月当たり7,500円(消費税および地方消費税の額を除きます)以下であること

この7,500円以下であるかどうかの判定は消費税および地方消費税の額を除いた金額で行い、その金額に10円未満の端数が生じた場合には切り捨てます。

そしてこの要件を満たしていなければ、食事の価額から役員や使用人の負担している金額を控除した残額が給与として課税されます。

非課税で運用するなら、従業員が食事の価額の半分以上を負担している状態が要るということです。

その半分を、誰が、いつ、どうやって受け取るのか。ここから先は税務ではなく、労務の話になります。

出典:国税庁タックスアンサー No.2594「食事を支給したとき」

食費を負担させる定めは、就業規則に記載する事項に当たる

厚生労働省のモデル就業規則は、就業規則の記載事項を、必ず記載しなければならない絶対的必要記載事項と、各事業場内でルールを定める場合には記載しなければならない相対的必要記載事項に分けて示しています(労働基準法第89条)。

このうち相対的必要記載事項の「費用負担関係」として挙げられているのが、労働者に食費、作業用品その他の負担をさせることに関する事項です。

食事代の一部を従業員に負担させる定めを設けるのであれば、それは就業規則に記載しなければならない事項に当たります。

デスクで資料を手に取り、ノートパソコンの前で内容を確認しているスーツ姿の管理職の男性

常時10人以上の事業場は、作成・変更のたびに所轄の労働基準監督署長へ届け出る

モデル就業規則によれば、労働基準法は労働者を1人でも使用する事業場に適用されますが、就業規則については、常時10人以上の労働者を使用する事業場において、これを作成し、又は変更する場合に、所轄の労働基準監督署長に届け出なければならないとされています(労基法第89条)。

就業規則は、企業単位ではなく事業場単位で作成し、届け出なければなりません。

届出には、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合はその労働組合、過半数で組織する労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する者の意見を記し、その者の氏名を記載した書面(意見書)を添付しなければなりません(労基法第90条)。

この場合の労働者の過半数を代表する者は、管理監督者でないこと、就業規則の作成及び変更の際に使用者から意見を聴取される者を選出することを明らかにして実施する投票、挙手等の方法によって選出された者であって使用者の意向に基づき選出されたものでないこと、のいずれにも該当する者でなければなりません(労基則第6条の2)。

作成して意見を聴いただけでは、効力は発生しないと解されている

モデル就業規則は、就業規則は作成したり労働者の代表者から意見を聴取しただけでは効力は発生しないと解されている、としています。

作成した就業規則は、労働者の一人ひとりへの配付、職場の見やすい場所への掲示、備付け、電子媒体に記録してそれを常時モニター画面等で確認できるようにするといった方法により、労働者に周知しなければなりません(労基法第106条第1項)。

効力発生時期は、就業規則が何らかの方法によって労働者に周知された時期以降で、就業規則に施行期日が定められているときはその日、定められていないときは通常は労働者に周知された日と解されています。

制度の開始日を決めるときは、周知をいつ、どの方法で行うかも合わせて決めておきたいところです。

出典:厚生労働省「モデル就業規則」(令和7年12月)

給与から差し引くなら、全額払いの原則が関わる

本人負担分の集め方として現実的なのは、給与からの控除です。ここで関わってくるのが労働基準法第24条第1項です。

賃金は、通貨で、直接労働者にその全額を支払わなければなりません。

ただし、所得税や住民税等、法令に基づき労働者が負担すべきものについては、賃金から控除することができます。

また、労働者代表と書面で協定し、賃金から控除することができるとしたものも控除できます。

ただし、労働者代表との協定によって賃金から控除できるものは、購買代金、住宅・寮その他の福利厚生施設の費用、各種生命・損害保険の保険料、組合費等、内容が明白なものに限られます。

自社が集めようとしている食事代がこの範囲に収まるかどうかは、控除の名目と金額の決め方まで含めて確かめておきたいところです。

ノートパソコンのそばで電卓を操作しながら、表やリストが並んだ書類を確認している手元

ここでいう労働者代表とは、事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がある場合にはその労働組合、そのような労働組合がない場合にはその事業場の労働者の過半数を代表する者(過半数代表者)をいいます。

過半数代表者は、管理監督者でないこと、労使協定の締結等を行う者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法により選出された者であって使用者の意向に基づき選出されたものでないこと、のいずれにも該当する者でなければなりません(労基則第6条の2)。

過半数代表者であること若しくは過半数代表者になろうとしたこと、又は過半数代表者として正当な行為をしたことを理由として、解雇や賃金の減額、降格等労働条件について不利益な取扱いをしてはなりません。

現金で配る形にすれば、手続きは軽くなるのか

ここまで読んで、現金で配ってしまえば社内の手続きは軽く済むのでは、と思われたかもしれません。

国税庁は、食事を支給するのではなく現金で食事代の補助をする場合には、深夜勤務者に夜食の支給ができないために1食当たり650円(消費税および地方消費税の額を除きます)以下の金額を支給する場合を除き、補助をする全額が給与として課税されるとしています。

なお、残業または宿日直を行うときに支給する食事は、無料で支給しても給与として課税しなくてもよいことになっています。

導入を決める前に、社内で確かめておきたいこと

  • 従業員に食費を負担させる定めが、いまの就業規則のどこかに書かれているか
  • 事業場ごとに、就業規則の作成・届出の義務がかかる規模かどうか
  • 本人負担分を給与から差し引くのか、別の方法で受け取るのか
  • 差し引くなら、賃金から控除する項目を定めた書面による協定があるか
  • 過半数代表者を、何のために選ぶのかを明らかにしたうえで選んでいるか
  • 制度の開始日と、就業規則を周知する日のどちらが先になっているか

税務の要件と労務の手続きは、別々に確かめておくことをおすすめします。

まとめ

食事補助を非課税で運用する前提は、役員や使用人が食事の価額の半分以上を負担していることと、食事の価額から本人の負担額を差し引いた金額が1か月当たり7,500円(消費税および地方消費税の額を除く)以下であることの2つです。

この記事で見てきたのは、その半分を実際に受け取るところで出てくる手続きです。

労働者に食費の負担をさせることに関する事項は、相対的必要記載事項として就業規則に記載する事項に挙げられています。

そして給与から差し引くなら、法令に基づくもの以外は、労働者代表との書面による協定が必要です。

制度の金額を決める作業と同じ列に、この2つを並べておくと、開始日の直前で慌てずに済みます。

どこでも社食について

どこでも社食は、株式会社シンシアージュが提供する法人向けの食事補助サービスです。

社内に社員食堂を持たない企業でも、従業員が食事補助を利用できます。

利用できない店舗・業態が実在し、すべての店舗で使えるわけではありません。

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