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食事補助の消費税はどう処理する?従業員から徴収した食事代と仕入税額控除

2026-09-19

食事補助の消費税はどう処理する?従業員から徴収した食事代と仕入税額控除

食事補助の消費税の扱いを整理。従業員から徴収した食事代、会社負担分の仕入税額控除、預り金として処理した場合、軽減税率が混ざるときの判定を国税庁の資料から解説します。

食事補助の税務には、入口が2つあります。給与として課税されるかどうかと、消費税です。

この記事で整理するのは、後者のほうです。

国税庁はタックスアンサー No.6471「従業員に対する食事の提供」で、事業者が福利厚生の一環として従業員に対して食事の提供を行う場合の消費税の取扱いを示しています。

結論から書きます。社員食堂で有償の食事を提供しているなら、従業員から徴収する食事代金は消費税の課税の対象になります。

お金の流れごとに、扱いがどこで分かれるのかを順に見ていきます。

オフィスの休憩スペースのテーブルで、弁当の容器と紙コップを前に食事をしている3人の従業員

社員食堂で提供した食事は、無償か有償かで分かれる

入口は、対価を受け取っているかどうかです。

社員食堂において従業員に無償で食事を提供した場合には、対価の授受がありませんので、資産の譲渡等には該当しません。

したがって、消費税の課税関係は生じません。

一方、社員食堂において従業員に有償で食事を提供した場合には、従業員から徴収する食事代金が課税資産の譲渡等の対価に該当しますので、消費税の課税の対象となります。

気になるのは、福利厚生として価格を下げている場合です。

この場合、その食事代金が一般の市場価格に比べて安い価格であっても、従業員から徴収する食事代金が資産の譲渡等の対価となります。

直営の維持費や運営委託費は課税仕入れになる。ただし給与は別

次は、会社が支払う側です。

社員食堂を直営で行っている場合の維持費用、例えば原材料の購入代金や水道光熱費、また、業者に委託している場合の運営委託費は、課税仕入れとなります。

ただし、社員食堂を直営で行っている場合の従業員に支払う給与は、課税仕入れに該当しません。

食堂まわりの支出をまとめて集計している会社では、ここを取り違えないようにしたいところです。

外部の食堂と契約している場合は、預り金にするかどうかで変わる

ここからは、社内に食堂を持たず、外部の食堂と契約しているケースです。

事業者が、外部の特定の食堂と契約し、契約食堂の食券を有償で従業員に販売した場合には、従業員から徴収した食券の代金が資産の譲渡等の対価に該当しますので、消費税の課税の対象となります。

ただし、従業員から受け取った食券の代金を預り金として処理し、契約食堂に支払う代金の一部に充当している場合には、課税の対象とはなりません。

支払う側も見ておきます。

事業者が契約食堂に従業員の食事代金の全部または一部を支払っているときは、その金額は課税仕入れに該当します。

ただし、従業員から徴収した代金を預り金として処理している場合には、事業者が実際に負担した部分の金額のみが課税仕入れの対象となります。

同じお金の動きでも、預り金として処理しているかどうかで、消費税の扱いが変わります。

出典:国税庁タックスアンサー No.6471 従業員に対する食事の提供

ノートパソコンのキーボードに片手を置き、もう一方の手で電卓を操作しながら表形式の書類を確認している手元

外部の食堂と契約していて預り金にしているなら、控除の基礎は会社の負担分だけ

国税庁は「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」の問94-4で、社員食堂での会社負担分に係る仕入税額控除の考え方を示しています。

事業者が他の事業者が経営する食堂を社員食堂として従業員に利用させるという契約を当該他の事業者と締結し、その従業員の食事代の全部又は一部を支払っているときは、給与として課税されるかどうかにかかわらず、その金額は課税仕入れに該当し、当該他の事業者から受領した適格請求書及び一定の記載をした帳簿の保存により仕入税額控除を行うことが可能です。

読み飛ばしたくないのは、「給与として課税されるかどうかにかかわらず」という部分です。

この場合、所得税で給与として課税されるかどうかは、課税仕入れに該当するかどうかの判断を左右しません。

Q&Aが置いている例は、次のとおりです。

  • 従業員が1,000円分の喫食を行った場合に、会社がその7割(700円)を従業員から徴収し、差額300円を負担する形で食堂を経営する他の事業者に対して支払を行っている
  • 従業員から徴収した代金は預り金として処理している
  • 適格請求書には、課税資産の譲渡等に係る税込価額として支払を行った全額が記載されている

この例では、喫食に係る代金の全額が記載されている適格請求書を保存していたとしても、300円を基礎として、仕入税額控除の適用を受けることとなります。

請求書に書かれている金額をそのまま拾っていないか、社内の処理を確かめておきたいところです。

出典:国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」問94-4

7,500円以下かどうかの判定は、消費税等を除いた金額で行う

ここまでは消費税の話です。次は、給与として課税されるかどうかの側を見ます。

役員や使用人に支給する食事は、役員や使用人が食事の価額の半分以上を負担していることと、食事の価額から役員や使用人が負担している金額を控除した金額が1か月当たり7,500円(消費税および地方消費税の額を除きます。)以下であることの2つの要件をどちらも満たしていれば、給与として課税されません。

この判定は、消費税および地方消費税の額を除いた金額をもって行うこととなりますが、その金額に10円未満の端数が生じた場合にはこれを切り捨てることとなります。

集計表が税込のままになっていないか、確かめておきたいところです。

税率が混ざるときは、税率ごとに分けて計算する

先に、どの税率が適用されるのかを押さえます。

使用者が弁当を単に購入して役員や使用人に支給する場合、使用者と弁当事業者との取引は、飲食料品の譲渡となりますので、軽減税率(8パーセント)が適用されます。

なお、弁当事業者が弁当を提供する際に、配膳等の役務の提供を伴う場合は、いわゆる「ケータリング」として標準税率(10パーセント)が適用されます。

また、食堂での食事は、飲食設備のある場所において飲食料品を飲食させる役務の提供に該当し、標準税率(10パーセント)が適用されます。

国税庁は、この2つが混ざる場合の判定について、「食事を支給したときの非課税限度額の判定」というページで事例を示しています。

  • 弁当の提供は、価額が900円(消費税等込み、消費税等の税率8%)、役員や使用人が負担している金額が450円、1か月における提供日数が15日
  • 契約食堂での食事の提供は、価額が900円(消費税等込み、消費税等の税率10%)、役員や使用人が負担している金額が450円、1か月における提供日数が5日

この事例では、食事の価額から負担している金額を控除した残額の月額は、弁当の提供が6,750円、契約食堂での食事の提供が2,250円、合計で9,000円になります。

ここから消費税等の額を除くと、弁当の提供は6,750円×100/108で6,250円、契約食堂での食事の提供は2,250円×100/110で2,045.454…円となり、合計額は10円未満の端数を切り捨てて8,290円です。

弁当の提供と契約食堂での食事の提供では、適用される消費税等の税率が異なるため、消費税等の額を除いた金額をそれぞれ計算し、合計することとなります。

そして8,290円は7,500円を超えるため、食事の価額から役員や使用人の負担している金額を控除した残額の月額9,000円が、給与として課税されます。

この事例では、税込のまま足した9,000円と、税率ごとに分けて税抜にした8,290円で、判定に使う数字が違います。

出典:国税庁タックスアンサー No.2594 食事を支給したとき国税庁 食事を支給したときの非課税限度額の判定

社内で確かめておきたいこと

  • 従業員から受け取っている食事代を、預り金として処理しているのか、売上として処理しているのか
  • 委託先や契約先から受け取る請求書の金額に、従業員の負担分が含まれていないか
  • 判定に使っている集計表が、税込のままになっていないか
  • 弁当と食堂を併用している場合に、税率ごとに分けて集計できているか

どれも、制度を変えなくても、いまの帳簿と請求書で確かめられることです。

まとめ

  • 社員食堂において従業員に無償で食事を提供した場合には、対価の授受がありませんので、資産の譲渡等には該当しません。
  • 社員食堂で有償で提供していれば、従業員から徴収する食事代金は、一般の市場価格に比べて安い価格であっても資産の譲渡等の対価となります。
  • 外部の食堂と契約していて、従業員から徴収した代金を預り金として処理している場合には、事業者が実際に負担した部分の金額のみが課税仕入れの対象となります。
  • 7,500円以下であるかどうかの判定は、消費税および地方消費税の額を除いた金額をもって行います。

消費税の区分を整えたら、次は判定に使っている数字を確かめる。この順で見ていくと、手戻りが少なくなります。

どこでも社食について

この記事を出している「どこでも社食」は、株式会社シンシアージュが提供する法人向けの食事補助サービスです。

社内に社員食堂を持たない企業でも、従業員が食事補助を利用できます。

なお、利用できない店舗・業態が実在し、すべての店舗で使えるわけではありません。

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