食事補助
福利厚生制度
残業で出す食事は課税される?宿日直・深夜勤務の夜食の扱い
2026-09-12

残業や宿日直のときの食事は、無料で支給しても課税しなくてよいとされています。日々の食事補助の2要件との違いと、深夜勤務者への夜食の扱いを整理します。
残業している社員に弁当を出す。夜勤の担当者に夜食代を渡す。どちらも会社が出す食事ですが、日々の昼食補助と同じ物差しで考えていないでしょうか。
国税庁のタックスアンサー No.2594「食事を支給したとき」は、日々の食事補助の要件を示したうえで、残業または宿日直を行うときに支給する食事について別に書いています。
この記事では、その違いを、同じページの記載に沿って整理します。
まず、日々の食事補助には2つの要件がある
役員や使用人に支給する食事は、次の2つの要件をどちらも満たしていれば、給与として課税されません。
- 役員や使用人が食事の価額の半分以上を負担していること
- 食事の価額から役員や使用人が負担している金額を差し引いた金額が、1か月当たり7,500円(消費税および地方消費税の額を除きます)以下であること
この要件を満たしていなければ、食事の価額から役員や使用人の負担している金額を控除した残額が給与として課税されます。
7,500円以下であるかどうかの判定は消費税および地方消費税の額を除いた金額で行い、その金額に10円未満の端数が生じた場合には切り捨てます。
ここまでが、毎日の昼食に補助を出すときの考え方です。残業や宿日直の食事は、このページの中で、これとは別のところに書かれています。
残業・宿日直のときに支給する食事は、無料で支給しても課税しなくてよい
残業または宿日直を行うときに支給する食事は、無料で支給しても給与として課税しなくてもよいことになっています。
日々の食事補助では、本人が食事の価額の半分以上を負担していることが要件のひとつでした。残業または宿日直のときに支給する食事については、無料で支給しても課税しなくてよいとされている点が、そこと違います。
残業のときの弁当をどう扱えばよいか迷ったときは、まずこの記載を見てください。
このページが根拠法令等として挙げているのは、所法36、所基通36-24、36-38、36-38の2、昭59直法6-5、平元直法6-1外です。細かい文言まで確かめたいときは、ここに挙げられている原文に当たるのが確実です。
出典:国税庁タックスアンサー No.2594「食事を支給したとき」(令和8年4月1日現在法令等)
渡しているのが食事ではなく現金なら、話は変わる
食事を支給するのではなく、現金で食事代の補助をする場合には、深夜勤務者に夜食の支給ができないために1食当たり650円(消費税および地方消費税の額を除きます)以下の金額を支給する場合を除き、補助をする全額が給与として課税されます。
残業のときに食事を出しているつもりでも、実際に手元から出ているのが現金なら、こちらの記載が当たります。
運用を振り返るときは、社内での呼び方ではなく、何を渡しているかで見てください。
現金の例外として挙げられているのは、深夜勤務者への夜食
No.2594 が現金での補助の例外として挙げているのは、深夜勤務者に夜食の支給ができないために1食当たり650円(消費税および地方消費税の額を除きます)以下の金額を支給する場合です。
挙げられているのはこの一つで、金銭で渡してよい場面がほかにあるかどうかまでは、このページからは分かりません。
手当の名前で判断せず、何のために支給しているのかと、その金額が税抜でいくらかを確かめるところから始めるのが早道です。
場面ごとに並べて見る
- 日々の食事の支給 … 本人が食事の価額の半分以上を負担し、その残額が1か月当たり7,500円(税抜)以下であれば、給与として課税されない
- 残業または宿日直のときに支給する食事 … 無料で支給しても、給与として課税しなくてもよい
- 現金で食事代を補助する場合 … 深夜勤務者に夜食の支給ができないために1食当たり650円(税抜)以下を支給する場合を除き、補助をする全額が給与として課税される
並べてみると、確かめる場所が場面ごとに違うことが分かります。本人負担の割合を見るのか、月ごとの金額を見るのか、そもそも現物か現金かを見るのか。ここを取り違えると、社内の説明が合わなくなります。
社内で確かめておきたいこと
- 残業のときに渡しているのは、食事そのものか、現金か
- 夜勤の担当者へ金銭を渡しているなら、その金額は税抜でいくらか
- 残業や宿日直のときの食事を、日々の食事補助の集計と分けて整理できているか
- 迷うところは、根拠として挙げられている原文や、顧問税理士に当たる
集計の分け方は、給与計算の担当者だけで確かめず、実際に弁当や夜食を手配している部署にも聞いてみてください。伝票の出どころが違えば、見えている範囲も違います。
まとめ
国税庁のタックスアンサー No.2594 は、日々の食事補助の要件と、残業または宿日直のときに支給する食事を、別のところに書いています。
残業または宿日直を行うときに支給する食事は、無料で支給しても給与として課税しなくてもよいことになっています。
一方、現金で食事代の補助をする場合には、深夜勤務者に夜食の支給ができないために1食当たり650円(消費税および地方消費税の額を除きます)以下の金額を支給する場合を除き、補助をする全額が給与として課税されます。
まずは、残業や夜勤の食事を日々の食事補助と同じ枠で見ていないかを確かめるところからで十分です。
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