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従業員に出す食事代は交際費になる?1人1万円の基準が使えない場面

2026-09-26

従業員に出す食事代は交際費になる?1人1万円の基準が使えない場面

従業員に出す食事代は交際費等になるのか。1人1万円以下の規定が社内だけの飲食に使えない理由と、会議の弁当・社内行事・日々の食事補助の区分を国税庁の資料から整理します。

従業員のために会社が食事代を出す場面は、ひとつではありません。日々の食事補助、残業のときの夜食、会議中に配る弁当、社内行事での飲食。

交際費等の範囲からは、一定の書類を保存していることを条件に、1人当たり10,000円以下の飲食費が除かれています。ただしこの規定には、専らその法人の役員もしくは従業員またはこれらの親族に対する接待等のために支出するものを除く、という括弧書きが付いています。

つまり、専ら自社の役員や従業員などに対する接待等のために支出した飲食費は、金額にかかわらずこの規定では除かれません。

では、社内の人だけで食べた分は何で判定するのか。この記事では、会社が従業員のために出す食事代を場面ごとに分け、それぞれの資料がどこで線を引いているかを整理します。

交際費等とは何を指すのか

国税庁タックスアンサー No.5265 は、交際費等を「交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者などに対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するもの」と説明しています。

そのうえで同じページは、交際費等の範囲から除かれる費用を並べています。

飲食に関わるものを抜き出すと、次のとおりです。

  • 専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用
  • 飲食その他これに類する行為のために要する費用(専らその法人の役員もしくは従業員またはこれらの親族に対する接待等のために支出するものを除きます。)であって、その支出する金額を飲食等に参加した者の数で割って計算した金額が10,000円以下である費用(一定の書類を保存している場合に限り適用されます)
  • 会議に関連して、茶菓、弁当その他これらに類する飲食物を供与するために通常要する費用

ひとつずつ、条件を見ていきます。

10,000円以下かどうかは、参加した者の数で割って判定する

基準になるのは、支出した金額そのものではありません。

No.5265 は、飲食その他これに類する行為のために要する費用(専らその法人の役員もしくは従業員またはこれらの親族に対する接待等のために支出するものを除きます。)であって、その支出する金額を飲食等に参加した者の数で割って計算した金額が10,000円以下である費用を、次の事項を記載した書類を保存している場合に限り、交際費等から除いています。

  1. 飲食等のあった年月日
  2. 飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名または名称およびその関係
  3. 飲食等に参加した者の数
  4. その飲食等に要した費用の額、飲食店等の名称および所在地(店舗がない等の理由で名称または所在地が明らかでないときは、領収書等に記載された支払先の氏名または名称、住所等)
  5. その他飲食等に要した費用であることを明らかにするために必要な事項

10,000円の判定や交際費等の額の計算は、法人の適用している消費税等の経理処理(税抜経理方式または税込経理方式)により算定した価額により行います。

なお、令和6年3月31日以前に支出された飲食等に係る費用についての基準金額は、5,000円以下になります。

専ら役員や従業員などに対する接待等のための飲食は、この規定から除かれている

注目したいのは、括弧の中です。

専らその法人の役員もしくは従業員またはこれらの親族に対する接待等のために支出するものは、1人当たり10,000円以下であっても、この規定によっては交際費等から除かれません。

社内の人だけで飲食した費用を、1人当たりの金額の大小で判定できないのは、このためです。

では、社内の飲食はどこを見ることになるのか。ここから先は、会議と社内行事という別の項目を見ていきます。

会議に関連して供与する茶菓や弁当は、通常要する費用なら別の項目で除かれている

No.5265 は、会議に関連して、茶菓、弁当その他これらに類する飲食物を供与するために通常要する費用を、交際費等から除かれる費用として挙げています。

条件になっているのは「会議に関連して」と「通常要する」で、このページには、この項目についての金額の基準は書かれていません。

オフィスのテーブルで、使い捨て容器の弁当を前に会話しながら食事をする3人の社員

社内行事の飲食が福利厚生費になるのは、どういう場合か

国税庁タックスアンサー No.5261 は、交際費等と福利厚生費との区分を扱っています。

このページは、専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行などのために通常要する費用については交際費等から除かれ、福利厚生費などとされる、としています。

また、社内の行事に際して支出される金額などで、次のようなものは福利厚生費となります。

  • 創立記念日、国民の祝日、新社屋の落成式などに際し、従業員等におおむね一律に、社内において供与される通常の飲食に要する費用

ここに並んでいるのは、行事の例、「おおむね一律」、「社内において供与される」、「通常の飲食」という組み合わせです。

忘年会や歓送迎会といった行事名は、このページには出てきません。

ここから外れる飲食をどう扱うかも、このページには書かれていません。

交際費等に当たったときの、損金不算入額の計算

交際費等の額は、原則として、その全額が損金不算入とされています。

ただし、損金不算入額の計算に当たっては、法人の区分に応じ、一定の措置が設けられています。

期末の資本金の額または出資金の額が1億円以下である等の法人の損金不算入額は、次のいずれかの金額となります。

  1. 交際費等の額のうち、飲食その他これに類する行為のために要する費用(専らその法人の役員もしくは従業員またはこれらの親族に対する接待等のために支出するものを除きます。)の50パーセントに相当する金額を超える部分の金額
  2. 交際費等の額のうち、800万円にその事業年度の月数を乗じ、これを12で除して計算した金額(定額控除限度額)を超える部分の金額

ただし、資本金の額または出資金の額が5億円以上の法人の100パーセント子法人等などの損金不算入額は、この区分ではなく、それ以外の法人の区分により計算します。

ここでも、飲食費の50パーセントという枠に、専らその法人の役員もしくは従業員またはこれらの親族に対する接待等のために支出するものを除く、という同じ括弧書きが付いています。

日々の食事補助を扱っているのは、源泉所得税のページ

ここまで見てきたのは、会社の側の費用の区分です。

No.5265 の対象税目は法人税です。

No.5261 の対象税目も法人税です。

従業員に食事を支給したときの扱いを示しているのは国税庁タックスアンサー No.2594 で、こちらの対象税目は源泉所得税です。

役員や使用人に食事を支給した場合は、原則として、次の2つの要件をどちらも満たしていれば、給与として課税されません。

  • 役員や使用人が食事の価額の半分以上を負担していること
  • (食事の価額)-(役員や使用人が負担している金額)が1か月当たり7,500円(消費税および地方消費税の額を除きます。)以下であること

この要件を満たしていなければ、原則として、食事の価額から役員や使用人の負担している金額を控除した残額が給与として課税されます。

なお、残業または宿日直を行うときに支給する食事は、無料で支給しても給与として課税しなくてもよいことになっています。

食事を支給するのではなく、現金で食事代の補助をする場合には、深夜勤務者に夜食の支給ができないために1食当たり650円(消費税および地方消費税の額を除きます。)以下の金額を支給する場合を除き、補助をする全額が給与として課税されます。

交際費等の範囲を定めているのは法人税のページ、食事の支給を扱っているのは源泉所得税のページです。

出典:国税庁タックスアンサー No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算(令和7年4月1日現在法令等)/No.5261 交際費等と福利厚生費との区分(令和7年4月1日現在法令等)/No.2594 食事を支給したとき(令和8年4月1日現在法令等)

社内で確かめておきたいこと

迷いやすいのは、同じ「食事代」という言葉でまとめてしまうところです。

  • その飲食に社外の人が参加していたか、社内の人だけだったか
  • 参加した人の数、費用の額、日付、飲食店の名称と所在地を書いた書類が残っているか
  • 会議のときに配った弁当と、日々の食事補助が、同じ扱いにまとめられていないか
  • 日々の食事補助について、本人がいくら負担しているかを説明できるか

最後の点は、税務というより社内の運用の問題でもあります。

まとめ

この記事では、会社が出す食事代を場面ごとに分け、それぞれ別の資料を見てきました。

  • 1人当たり10,000円以下という基準は、専らその法人の役員もしくは従業員またはこれらの親族に対する接待等のために支出するものには適用されません
  • 会議に関連して、茶菓、弁当その他これらに類する飲食物を供与するために通常要する費用は、交際費等から除かれます
  • 創立記念日などに際し、従業員等におおむね一律に、社内において供与される通常の飲食に要する費用は、福利厚生費となります
  • 日々の食事の支給(現金での食事代の補助を除きます。)は、原則として、役員や使用人が食事の価額の半分以上を負担していることと、(食事の価額)-(役員や使用人が負担している金額)が1か月当たり7,500円(消費税および地方消費税の額を除きます。)以下であることを、どちらも満たしていれば給与として課税されません

どの場面に当たるかを先に決めてから、金額を見る。順番を入れ替えないことが、いちばんの近道です。

どこでも社食について

どこでも社食は、株式会社シンシアージュが提供する法人向けの食事補助サービスです。

社内に社員食堂を持たない企業でも、従業員が食事補助を利用できます。

利用できない店舗・業態は実在し、すべての店舗で使えるわけではありません。

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