どこでも社食

健康経営

福利厚生制度

9月は職場の健康診断実施強化月間|実施だけでは終わらない事後措置の義務

2026-09-06

9月は職場の健康診断実施強化月間|実施だけでは終わらない事後措置の義務

9月は「職場の健康診断実施強化月間」です。健康診断の実施だけでなく、結果の通知と記録、有所見者への医師の意見聴取、事後措置までを厚生労働省の資料から整理します。

厚生労働省は、毎年9月を「職場の健康診断実施強化月間」と位置付けています。

そして今年の事業者向けリーフレットが最初に掲げているのは、「健康診断及び事後措置の実施の徹底」でした。

健診の受診率だけを見て「今年も全員受けさせた」と確認して終わっていないでしょうか。この記事では、月間の一次資料が事業者に何を求めているのかを、順に整理します。

9月は「職場の健康診断実施強化月間」

厚生労働省は、全国労働衛生週間(10月1日~7日)の準備月間である毎年9月を「職場の健康診断実施強化月間」と位置付け、労働安全衛生法に基づく一般健康診断の実施の徹底や事業者の健康保持増進措置等の適切な実施等を促すため、集中的・重点的に啓発を行っています。

今年の報道発表は、令和8年8月21日付けで公表されました。

出典:厚生労働省「「職場の健康診断実施強化月間」(9月)について」

リーフレットが掲げているのは、事後措置・医療保険者との連携・女性の健康課題など

事業者向けのリーフレットは、「健康診断及び事後措置の実施の徹底」、「医療保険者との連携」及び「女性の健康課題に関する理解の促進」等をお願いします、としています。

上から順に見ていきます。

実施のあと、何をすることになっているか

リーフレットは、健康診断の実施、有所見者に対する医師からの意見聴取、医師の意見を勘案した必要な事後措置の実施は、全て労働安全衛生法に基づく事業者の義務です、としています。

また、健康診断を実施した後は、その結果を労働者に通知するとともに、事業者もその結果を保存しなければなりません。

リーフレットは、この流れを次の段階に分けて示しています。

  1. 健康診断の実施
  2. 健康診断結果の通知/健康診断結果の記録
  3. 健康診断結果についての医師からの意見聴取
  4. 健康診断実施後の措置

社内の点検表が「受診したか/未受診か」だけで終わっているなら、そこから先は誰も追えていないことになります。

事後措置として例示されているのは、就業場所の変更・作業の転換・労働時間の短縮など

リーフレットは、事後措置は、医師の意見を勘案し、必要があると認めるときに、労働者の実情を考慮して、必要な措置(就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮等)を実施しましょう、としています。

先に医師の意見があり、それを勘案して措置を決める、という順序で示されています。

そのうえで、事後措置を講ずるに当たっては「健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」を確認するよう案内しています。

オフィスのデスクで、ノートパソコンの前に座った男性が円グラフの印刷資料を手に取り、内容を読み込んでいる様子

労働者数50人未満の小規模事業場には、地域産業保健センターの支援がある

リーフレットは、一般的に小規模事業場での実施率が低くなっています、と指摘しています。

そのうえで、事業場の規模にかかわらず、労働者の健康管理を適切に講ずるため、事後措置の実施まで徹底してください、と求めています。

地域産業保健センターでは、労働者数50人未満の小規模事業場への支援として、産業医・保健師を配置し、健診結果についての医師からの意見聴取、長時間労働者・高ストレス者に対する面接指導、産業医等の事業場訪問による保健指導、労働者の健康に係る各種相談などの対応をしています。

相談先として、この窓口が案内されています。

医療保険者から結果を求められたときは、写しの提供が義務

リーフレットによれば、保険者から労働者の健康診断結果を求められた場合は、その写しを提供することが事業者に義務づけられています。

ここでいう医療保険者は、協会けんぽ、健保組合、市町村国保、国保組合、共済組合等を指します。

そして、法律に基づく提供の場合は、第三者提供に係る本人同意は不要です。

個人情報だからと社内で止めてしまう前に、この一文を確認しておくと判断が早くなります。

あわせて、厚生労働省は、コラボヘルス等の労働者の健康保持増進のための取組に要した費用に対し、エイジフレンドリー補助金で一部補助を行っています。

コラボヘルスとは、医療保険者と事業者が積極的に連携し、明確な役割分担と良好な職場環境のもと、労働者の予防・健康づくりを効果的・効率的に実行することです。

問診票に加わった、女性特有の健康課題に関する質問

一般健康診断における問診票に、女性特有の健康課題に関する質問が追加されました。

ただしリーフレットは、女性の健康問診の目的は、事業者に義務付けられているものではなく、女性自身の健康状態への気づきを促し、必要に応じて労働者が医療機関へアクセスできるよう支援することにある、と注記しています。

また、女性の健康問診の回答は健診機関から事業者に直接提供されることはありません。

そのうえでリーフレットは、「女性特有の健康課題に関する問診を活用した女性の健康管理支援実施マニュアル~事業者向け~」を活用して、女性特有の健康課題に関して困っている労働者に対する相談等対応、女性の健康課題に関する理解促進のための研修、職場環境改善の取組を進めてください、としています。

重点事項は、健康診断以外にも及ぶ

リーフレットが抜粋している月間の通知(令和8年8月21日付け基安発0821第2号)の重点事項は、次のとおりです。

  • 一般健康診断(実施・医師からの意見聴取・事後措置等の実施の徹底、結果の記録の保存と労働基準監督署への報告の徹底、保健指導の実施、小規模事業場における留意事項、地域保健との連携、外国人労働者に関する留意事項、派遣労働者の健康診断、個人事業者等に関する留意事項)
  • ストレスチェック制度の適切な実施等
  • 健康保持増進措置等の適切な実施(指針に基づく措置、職場におけるがん検診の推進、女性の健康課題に関する理解の促進、口腔の健康の保持増進、眼科検診等の実施の推進)
  • 職場環境に起因する疾病の防止の推進(騒音障害防止のための取組の推進、職場における感染症に関する理解と取組の促進)
  • 治療と仕事の両立支援の周知

健康診断の話だと思って開くと、がん検診や口腔、眼科、騒音、感染症までが同じ通知に並んでいます。

自社の衛生委員会で今年何を議題にするかを決めるときの、素材の一覧としても使えます。

出典:厚生労働省「9月は「職場の健康診断実施強化月間」です」(リーフレット)

まとめ

厚生労働省は、毎年9月を「職場の健康診断実施強化月間」と位置付けています。

そしてリーフレットは、健康診断の実施、有所見者に対する医師からの意見聴取、医師の意見を勘案した必要な事後措置の実施は、全て労働安全衛生法に基づく事業者の義務です、としています。

受診率の集計で止めず、結果の通知と記録、医師からの意見聴取、そのあとの措置までを一覧に並べてみてください。抜けている段階が見つかれば、それがこの月間にやることです。

関連記事

関連する記事

食事補助サービスの資料をご希望の方へ

福利厚生としての食事補助の導入方法を、資料で詳しくご確認いただけます。

資料をダウンロードする