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福利厚生制度
食事補助サービスの方式は何が違う?国税庁の資料に出てくる3つの形
2026-10-05

食事補助サービスの方式を、国税庁の資料に出てくる3つの形から整理。会社が食事を用意する形、会社が店に支払う形、条件を満たす食券を渡す形と、現金との境目を解説します。
食事補助サービスを比べ始めると、最初に引っかかるのが方式の違いです。サービスの名前と料金は並べられても、自社だとどれに当たるのかは、並べただけでは決まりません。
手がかりは税務の資料の側にあります。この記事では、国税庁の資料に示された事例をもとに3つの形に整理し、方式を比べるときにどこを見ればよいのかを整理します。
食事を支給した場合の原則は、2つの要件
国税庁タックスアンサー No.2594 は、役員や使用人に支給する食事は、次の2つの要件をどちらも満たしていれば、給与として課税されないとしています。
- 役員や使用人が食事の価額の半分以上を負担していること
- (食事の価額)-(役員や使用人が負担している金額)が1か月当たり7,500円(消費税および地方消費税の額を除きます。)以下であること
この判定は消費税および地方消費税の額を除いた金額で行い、その金額に10円未満の端数が生じた場合にはこれを切り捨てることとなります。
この要件を満たしていなければ、食事の価額から役員や使用人の負担している金額を控除した残額が給与として課税されます。ただし、残業または宿日直を行うときに支給する食事は、無料で支給しても給与として課税しなくてもよいことになっています。
食事の価額は、弁当などを購入して支給している場合には業者に支払う購入金額、社員食堂などで会社が作った食事を支給している場合には食事の材料費や調味料など食事を作るために直接かかった費用の合計額とされています。
この記事で見ていくのは、日々の昼食のような食事の補助です。
出典:国税庁タックスアンサー No.2594「食事を支給したとき」
形① 会社が用意した食事を渡す
国税庁の「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)」は、「食事の支給」とは、企業が従業員に対して、契約業者から購入した弁当を提供することや、社員食堂で食事を提供すること等をいうと注記しています。
弁当を取り寄せる形も、社員食堂を持つ形も、この注記が同じ例として並べている形です。注文と配布を誰が担い、価額の根拠になる請求書をどう残すかは、先に決めておきたいところです。
形② 会社と飲食店の契約で、会社が店に食事代を支払う
国税庁の質疑応答事例「使用者が使用人等に対し食事代として金銭を支給した場合」は、回答の理由の中で、使用者と飲食店との間の契約により使用人等の食事代を使用者が飲食店に支払う場合は、この「使用者が役員又は使用人に対し食事を支給する場合」に該当するものとして取り扱って差し支えありませんと述べています。
この文が例として挙げているのは、会社と飲食店の間に契約があり、会社が店に食事代を支払うという形です。
出典:国税庁 質疑応答事例「使用者が使用人等に対し食事代として金銭を支給した場合」
数字を満たしていても、口座に振り込む形は金銭の支給とされた
同じ質疑応答事例が扱っている照会は、次のような制度です。
- 使用人等は、指定飲食店において食事の提供を受けた後、食事代を支払い、指定飲食店から領収証を受領する
- 使用人等は、本件領収証をA社に提出する
- A社は、本件領収証に記載された利用日がその使用人等の出勤日であること、食事の内容を確認する
- A社は、本件領収証に記載された食事代の50%相当額を個人別に集計し、月末で締めて翌月5日に、本件食事代負担金を使用人等の預金口座に振り込む
- 本件食事代負担金は、月額7,500円(税抜)を上限とする
割合と月額の上限の数字は、先に見た2つの要件と同じです。それでも回答はこうなっています。使用人等が受ける本件食事代負担金は、その使用人等に対する給与所得の収入金額となり、その経済的利益をないものとして取り扱うことはできません。
理由として挙げられているのは、支給しているのが食事ではなく金銭だという点です。使用人等が飲食店に食事代を支払い、使用者が現金で食事代を補助する場合には、食事という現物ではなく金銭を支給するものであることから、この「使用者が役員又は使用人に対し食事を支給する場合」に該当せず、昭和59年7月26日直法6-5、直所3-8「深夜勤務に伴う夜食の現物支給に代えて支給する金銭に対する所得税の取扱いについて」に該当するときを除き、補助をする全額が給与として課税されることとなります。
No.2594 も、食事を支給するのではなく現金で食事代の補助をする場合には、深夜勤務者に夜食の支給ができないために1食当たり650円(消費税および地方消費税の額を除きます。)以下の金額を支給する場合を除き、補助をする全額が給与として課税されるとしています。
なお、この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではないと注記されています。
形③ 条件を満たす食券を渡す
券を渡す形については、条件を並べた資料が別にあります。国税庁の在宅勤務に係るFAQの問12は、在宅勤務で業務を行う従業員の昼食の補助として、従業員に食券(電子的なものを含みます。)を支給する場合を扱っています。
先に説明した本人負担や会社負担額に関する基本要件に加え、問12では②から⑤として次の条件が置かれています。
- 食券の利用は、従業員が在宅勤務を行う日において、会社が契約した特定の飲食店での飲食又は飲食料品の購入(持帰り)でのみ利用可能(勤務日以外の利用や、アルコール類、飲食料品以外のものへの利用は不可)とする
- 食券の利用は、会社の従業員本人の食事代のみについて利用可能であり、従業員の親族等に係る食事代への利用は不可とする。また、食券を他人へ譲渡することを禁止する
- 一度に使える金額には、一般的な昼食等としての相当額の範囲を逸脱しない限度額を設ける。また、実際に要した食事代金が、食券の額面に満たない場合であっても、釣銭を受け取ることはできない
- 毎月交付された食券の未使用分については、翌月以降に繰り越して使用することができるものとし、食券の利用可能期間を設定する
資料は、これら②から⑤までの条件が満たされれば、その食券の支給は食事そのものを支給した場合と同視することができるものと考えられるとしています。なお、照会では、一度の利用の限度額と利用可能期間に具体的な数字が置かれています。
条件が細かいことには、理由も書かれています。所得税基本通達36-38の2の取扱いは、日々の昼食等に対する補助を目的とするものであるため、食券の未使用分を繰り越して、一度に多額の食事をするためにその食券を利用する場合には、同取扱いの趣旨に反するものと考えられるという注です。
見落としたくないのは、利用できる店と日を限る条件のほうです。この回答が示しているのは、在宅勤務を行う日に、会社が契約した特定の飲食店で使える食券についての扱いです。
なお、一般的な決済カードやその他の決済手段が、このFAQでいう「食券」に当然に該当することを示すものではありません。
出社と在宅が混ざる場合、資料はその月の負担額を合わせて見ている
同じFAQの問13は、在宅勤務を行う日には問12の②から⑤までの条件を満たす食券を支給し、出勤する日には契約業者から購入する弁当を支給する場合を扱っています。従業員は、食券及び弁当それぞれの価額の半額を会社に支払います。
回答は、この食券及び弁当の支給については、従業員に対する給与として課税する必要はないとしています。
そのうえで、消費税等の額を除いた企業の負担額が月額の上限を超えた場合には、その月中に支給した食券及び弁当に係る企業の負担額の全額について、従業員に対する給与として課税する必要があるとしています。
この回答は、食券と弁当を合わせたその月の負担額で判定しています。方式を組み合わせるなら、月ごとの集計を誰がどう作るのかまで決めておく必要があります。
出典:国税庁「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)」問12・問13
方式を決める前に、社内で確かめておきたいこと
- そのサービスで、会社が食事代を払う相手は店なのか、従業員なのか
- 従業員から食事の価額の半分以上を実際に徴収する仕組みを、どう作るか。給与から差し引く形にするのかどうか
- 価額の根拠になる請求書や明細が、毎月残る形になっているか
- 出社と在宅、拠点や勤務時間帯が混ざる場合に、その月の負担額を誰が集計するのか
- 利用できない店舗や業態があるかどうか
まとめ
- 役員や使用人に支給する食事は、食事の価額の半分以上を本人が負担し、価額から負担額を控除した金額が1か月当たり7,500円(消費税および地方消費税の額を除きます。)以下であれば、給与として課税されません
- 「食事の支給」の例として資料に書かれているのは、契約業者から購入した弁当の提供や、社員食堂での食事の提供です
- 会社と飲食店の契約により会社が店に食事代を支払う場合も、例として、食事を支給する場合に該当するものとして取り扱って差し支えないと書かれています
- 従業員が飲食店に食事代を支払い、会社が現金で食事代を補助する場合には、深夜勤務に伴う夜食の現物支給に代えて支給する金銭についての取扱いに該当するときを除き、補助をする全額が給与として課税されます
- 食券については、在宅勤務を行う日に会社が契約した特定の飲食店で使えるという設定の下で条件が示されています。一般的な決済カード等がこの「食券」に当然に該当することまで示した資料ではありません。また、これ以外の方式の税務上の扱いは、本記事で参照した資料には示されていません
どこでも社食について
どこでも社食は、株式会社シンシアージュが提供する法人向けの食事補助サービスです。社内に社員食堂を持たない企業でも、従業員が食事補助を利用できます。特定の提携飲食店との個別契約を前提としない方式をとります。なお、この方式の税務上の扱いについては、ここでは触れていません。
一方で、利用できない店舗・業態が実在します。すべての店舗で使えるわけではありません。
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