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最低賃金の確認は時給だけではない|月給・日給・歩合給の計算方法
2026-07-28

最低賃金と比べるのは支給総額ではありません。対象とならない手当と、月給・日給・歩合給を時間額に換算する計算方法を、厚生労働省の資料に沿って整理します。
最低賃金額が改定されるとき、社内でまず見直されるのはアルバイトやパートの時給です。見落とされやすいのは、月給で働く社員のほうです。
厚生労働省の特設サイト「最低賃金制度」は、支払っている賃金が最低賃金額以上かどうかを調べる手順を示しています。そこで比べるのは、給与明細の支給総額ではありません。
最低賃金と比べるのは、支給総額ではない
同サイトによれば、最低賃金の対象となるのは毎月支払われる基本的な賃金であり、残業代やボーナスは含まれません。
実際に支払われる賃金から、次の賃金を除外したものが対象になります。
- 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
- 1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
- 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
- 所定労働日以外の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
- 午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
- 精皆勤手当、通勤手当及び家族手当
通勤手当や家族手当は、金額が大きくても比べる側には入りません。手当の名前ではなく、この区分で見ることになります。
月給も日給も、時間額に換算して比べる
すべての地域別最低賃金と大部分の特定(産業別)最低賃金は、時間額で定められています。だから比較は、時間額どうしで行います。
- 時間給の場合は、時間給が最低賃金額(時間額)以上かどうかを見ます。
- 日給の場合は、日給を1日の所定労働時間で割った額を、最低賃金額(時間額)と比べます。
- 月給の場合は、月給を1箇月平均所定労働時間で割った額を、最低賃金額(時間額)と比べます。
- 出来高払制その他の請負制の場合は、その方法で計算された賃金の総額を、その賃金算定期間に出来高払制その他の請負制によって労働した総労働時間数で割った額を、最低賃金額(時間額)と比べます。
基本給が日給制で各手当が月給制、といった組み合わせのときは、それぞれの式で時間額に換算し、合計したものを最低賃金額と比べます。
支給総額220,000円でも、比べる金額は180,000円になる
同サイトは、月給制で働くAさんの例を挙げています。
基本給が月150,000円、職務手当が月30,000円、通勤手当が月5,000円で、その月は時間外手当35,000円が加わり、合計220,000円が支給されたという設定です。
ここから対象とならない通勤手当5,000円と時間外手当35,000円を除いた180,000円が、比べる側の金額になります。
年間労働日数250日、1日の労働時間8時間として換算すると、(180,000円×12か月)÷(250日×8時間)=1,080円となり、例に置かれた時間額1,000円の最低賃金額以上と判定されます。
支給総額と、判定に使う金額が別物になる。これがこの例の要点です。
手当の構成によっては、下回る例もある
同じサイトのBさんの例では、結果が逆になります。
基本給が日給制で1日あたり6,000円、職務手当が月25,000円、通勤手当が月5,000円という設定です。
通勤手当を除いた手当25,000円と基本給をそれぞれ換算すると、基本給の時間換算額は6,000円÷8時間/日=750円/時間、手当の時間換算額は(25,000円×12か月)÷(250日×8時間)=150円/時間で、合計は900円になります。
例に置かれた最低賃金額は時間額950円で、合計の900円はこれを下回ります。
歩合給は、実際に働いた総労働時間で割る
歩合給だけで支給されるCさんの例では、歩合給168,000円を、その歩合給を得るために働いた総労働時間200時間で割った840円が、換算された時間額に当たります。
時間外や深夜の割増賃金は、別に支払いが必要ですが、時間当たりの賃金額の算出には算入しません。
例に置かれた最低賃金額は時間額950円で、840円はこれを下回ります。
固定給と歩合給が併給されている場合は、それぞれ時間当たりの賃金額を算出し、これらを合算したものが時間当たりの賃金額となります。
改定のたびに社内で見るところ
ここまでの計算方法を、社内の確認手順に置き換えると次のようになります。
- 時給で働く人だけでなく、月給制・日給制・歩合給の人も、それぞれの式で時間額に換算する
- 手当の内訳を分ける。通勤手当・家族手当・精皆勤手当は、比べる側の金額から外れる
- 換算の分母になる所定労働時間の設定を確認する。ここが変われば時間額も変わる
- 自社に適用される額を確認する
同サイトには地域別最低賃金全国一覧のページがあり、適用される額はそこで確認できます。
計算方法についてさらに詳しく知りたい場合の問い合わせ先として、同サイトは最寄りの都道府県労働局労働基準部賃金課室または労働基準監督署を挙げています。
まとめ
最低賃金額と比べるのは、支給総額ではありません。そこから対象とならない賃金を除き、時間額に換算した金額です。
手当が厚い給与ほど、支給総額と判定に使う金額の差は開きます。時給で働く人だけを見ていると、月給制や歩合給の人が下回っていても気づけません。
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