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ストレスチェック義務化はいつから?50人未満の事業場は令和10年4月から

2026-09-08

ストレスチェック義務化はいつから?50人未満の事業場は令和10年4月から

労働者数50人未満の事業場もストレスチェックが義務に。施行期日は令和10年(2028年)4月1日です。対象・実施内容・準備を厚生労働省の資料から整理します。

ストレスチェックの実施義務が、労働者数50人未満の事業場にも広がります。

厚生労働省が示している施行期日は、令和10年4月1日です。

期日まではまだ間があります。ただ、厚生労働省が示す準備の手順には、社内ルールの作成や委託先の選定が並びます。どれも、思い立った日に片づく種類のものではありません。

この記事では、対象・実施内容・準備の順に、厚生労働省の資料から整理します。

施行期日は令和10年4月1日、対象は「労働者数50人未満の事業場」

ストレスチェックは、2015年から、労働安全衛生法により事業者に実施が義務付けられています(労働者数50人未満の事業場は、当分の間努力義務とされていました)。

2025年の労働安全衛生法の改正により、労働者数50人未満の事業場にも、ストレスチェックの実施が義務化されました。

その施行期日が、令和10年4月1日です。

ここで見落としやすいのが、人数を数える単位です。厚生労働省のページは、対象を「労働者数50人未満の事業場」と書いています。マニュアルのスタートガイドも、同じ言葉を使っています。

拠点や店舗が分かれている企業では、どの単位で数えることになるのかを、早めに確かめておきたいところです。

出典:厚生労働省「ストレスチェック制度・メンタルヘルス対策」

制度が求めているのは、検査・面接指導・集団分析

ストレスチェック制度の目的は、メンタルヘルス不調の未然防止です。厚生労働省のスタートガイドは、メンタルヘルス不調者の発見ではありません、とはっきり書いています。

やることは、大きく次のように分かれます。

  • 事業者は、1年ごとに1回、ストレスチェック(検査)を実施する
  • 高ストレスの労働者には、医師の面接指導の機会を提供し、医師の意見を踏まえ必要な就業上の措置をとる
  • 集団分析を通じて職場ごとのストレス要因を把握し、職場環境の改善につなげる

このうち検査の実施と医師の面接指導を義務、集団分析・職場環境改善を努力義務として、スタートガイドは図示しています。

検査は、労働者がストレスに関する質問票(選択式)に回答し、自身のストレスがどのような状態にあるのかを知ってもらうための簡単な検査です。質問票は、国が推奨する57項目版のイメージが示されています。

出典:厚生労働省「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」スタートガイド

個人の結果は、基本的に会社には届かない

社内へ案内するときに、先に伝えておきたいのがこの点です。

ストレスチェック(検査)の個人結果の通知は、プライバシー保護の観点から、労働者本人に直接通知され、基本的に事業者には提供されません。

事業者には、個人が特定されないように、個人結果を集団(事業場、職場等の単位)ごとに集計・分析した結果が提供されます。

制度を社内へ案内する文面には、この扱いを先に書いておくとよいでしょう。

出典:厚生労働省「ストレスチェックの「集団分析」を適切に実施しましょう!」

産業医がいない会社は、どう実施するのか

スタートガイドは、労働者のプライバシー保護の観点から、原則、外部委託による実施を推奨しています。

個人結果等の健康情報の取扱は外部機関で完結し、事業場内では取り扱いません。事業場内には、委託先との契約・連絡調整等を行う実務担当者を指名します。実務担当者には、衛生推進者又は安全衛生推進者を選任することが望まれる、とされています。

会議室のテーブルで資料を前に話し合う3人のビジネスパーソン

医師の面接指導の依頼先としては、以下のような選択肢があります。

  • 外部機関のオプションサービス
  • 地域産業保健センター
  • 産業保健に対応する医療機関等(別途契約)

地域産業保健センターは全国350か所に設置され、労働者数50人未満の小規模事業場を対象に、長時間労働者や高ストレス者に対する医師の面接指導等の産業保健サービスを無料で提供しています。

委託先を選ぶときは、外部機関から「サービス内容事前説明書」を作成・説明してもらい、提案内容を確認するよう、スタートガイドは示しています。料金体系のチェックも、その確認点に含まれます。

集団分析には、10人を下回るときの決まりがある

集団分析は、個人が特定されない方法で実施する必要があります。

集計・分析の単位が10人を下回る場合には、個人が特定されるおそれがあることから、原則として集団分析を実施してはいけません。

ただし、10人を下回る場合でも、個人が特定されるおそれのない方法により、集団分析を実施することが可能です。ストレスチェック調査票の全57項目の合計点について集団の平均値を求める方法や、「仕事のストレス判定図」を用いて分析する方法が例に挙げられています。ただし、これらの方法であっても、極端に少人数の場合は個人の特定につながるため不適切とされています。

厚生労働省は、特に、事業場自体が小規模の場合には、10人以上のより大きな集団を構成するよう工夫した上で、集団分析を実施するようにしてください、としています。

この集団分析については、労働安全衛生規則の一部を改正する省令が令和8年6月30日に公布され、集団分析を特定の個人を識別することができない方法で実施することが新たに規定されました。施行期日は令和9年4月1日です。この改正は従来の解釈を明文化した趣旨であり、従来の運用に変更を加えるものではないとされています。

施行までに手を付けられること

スタートガイドは、実施に向けた準備として次の手順を挙げています。

  1. 事業者は、実施責任者として、制度導入の方針表明を行う
  2. 社内の実施体制・実施方法について、労働者の意見を聴く
  3. 社内ルールを作成し、周知する

方針表明や社内ルール(規程)の作成のためのモデル例は、マニュアルに掲載されています。

厚生労働省のサイトでは、社内ルール例と社内規程例が編集可能なWord形式で公開されており、事業場ごとに加工して使えます。

オフィスのデスクでノートパソコンの画面を見ながらノートに書き込む女性社員

相談できる窓口も示されています。産業保健総合支援センターは47都道府県に設置され、ストレスチェック制度を含む、メンタルヘルス対策についての相談対応や事業場への訪問による制度導入支援等の各種支援サービスを無料で提供しています。

出典:厚生労働省「労働者数50人未満の小規模事業者の方」

なぜ、期日より前に動く意味があるのか

厚生労働省の周知用リーフレットは、取り組む意義をこう説明しています。

ひとたびメンタルヘルス不調にさせてしまうと、その病休期間は平均で約3か月、復職後に再び病休になる割合も約半数と、特に小規模事業場にとっては、大きな人材の損失となるほか、経営上のリスクにつながってしまいます。

同じリーフレットは、職場のメンタルヘルス対策に取り組むことで、働きやすい職場の実現を通じて、生産性の向上や人材の確保・定着、企業価値の向上といった持続的な経営につながる、とも書いています。

期日に間に合わせることだけを目標にすると、決めることの多さに対して時間は多く残りません。委託先の選定と社内ルールづくりから、順に手を付けておきたいところです。

出典:厚生労働省「労働者数50人未満の事業者もストレスチェックが義務になります!」(周知用リーフレット)

まとめ

  • 2025年の労働安全衛生法の改正により、労働者数50人未満の事業場にも、ストレスチェックの実施が義務化された。施行期日は令和10年4月1日
  • 事業者は、1年ごとに1回、ストレスチェック(検査)を実施する
  • 個人結果は労働者本人に直接通知され、基本的に事業者には提供されない
  • 労働者のプライバシー保護の観点から、原則、外部委託による実施が推奨されている
  • 集計・分析の単位が10人を下回る場合には、原則として集団分析を実施してはいけない
  • 準備は、方針表明、労働者の意見を聴くこと、社内ルールの作成と周知から始まる

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